日比谷のプレスセンター
9階が日本記者クラブ
6月25日(月)の午後から、写真の日本記者クラブで会員限定の
勉強会があり参加しました。
外務省の高官が講師となり「東アジアの安全保障」について現況
を語ってくれたもので、主な参加者は外交官OBやジャーナリスト
ですが、オフレコなので部分的にしか語れないことをご容赦・・・。
話の内容は
①中国の現状
②日韓関係の基本的考え方
③最近の北朝鮮情勢 の3つでした。
冒頭で個人的な考えを率直に述べられて・・・、
そうか、彼らのような超エリートでも日常こんなことを感じながら
日本の外交課題に取り組んでいるのだと共感しました。
講師の外務省高官は「国際社会に対する日本の姿勢」について
こんなことを話されました。
①日本は例えば対中国に関して、ビスマルク的にパワーバランスや
パワーゲームで考えがちだが、間違っているのではないか。
②地球規模で気候変動の問題が大きくなり、環境派VS経済派の
争いが起きるから、これらも外交交渉の対象になってきた。
③昔ながらの伝統的な安全保障の問題は、ますます大きく、困難を
増して存在し続けているから、毎日モグラたたきに追われている。
④他方、国際テロや鳥インフルエンザなど、非伝統的な安全保障の
諸課題が起きてきているのに、それに対して伝統的なパワーバラ
ンスだけで対応するのには限界がある。
⑤これらの問題解決には別の視点が重要になるだろう。
間尺に合わないかもしれない(よくあること、嫌だが仕方ない・・・)
し、新たなルールメークは必要だが、既存の実定国際法を順守す
ることから始め,不足分は地道な話し合いで、合意を得るところから
コツコツと変えていくしかないのでは・・・。
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会場の窓に広がる
日比谷公園など
私たち職業外交官には、知恵も経験も外交力もある筈だから、
自信を失うことなく、積極的にルールメークをする努力をしたい。
中国に対して2つの対立軸があると考える。
<対立軸1>
①コンティンメント※(封じ込め)か containment
②エンゲージメント(関与させる)か。 engagement
封じ込めは考えていない。なぜならできないからだ。
<対立軸2>
①スレット※(脅威)をもつのではなく、 threat
②チャンスととらえて、チャレンジをしていきたい。
※北朝鮮に対してだけはスレット(脅威)を感じ、口に出しているが。
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これらルールメーク思考は、憲法解釈の問題や、企業・団体の運営、
ガバナンス(統治機構)の洗練方法にも共通する手法になるでしょうし、
また、クレーマー的ないわゆる嫌われ者への対応にも役立ちそうです。
深く心にとどめていきたいな~と感じました。
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ふと考えたのですが、上の問題提起はガタ揺れ・分裂状態の民主党
を事例にすると分かりやすいのでは?
特に小澤一郎や鳩山由紀夫は、現状を伝統的な政治課題と捉えて、
パワーバランスで突破し、権力を取り戻そうとしているのでしょうが、
最早そうはいかない。
一国の経済もグローバルに連動しており、戦争直後に匹敵するような
累積財政赤字で財政破綻をしていることは、大災害や原発事故とセット
で非伝統的な政治課題になっているのではないか。
もし、財政の健全化ができなければギリシャ・スペインの二の舞になる
ことが目前に迫っているのに、国民を納得させる説明ができず、政治家
たちの問題解決手法は相変わらずパワーバランスしかないらしい。
対立軸の比較考量をして、新たなルールメークをする・・・・これは〇〇
チルドレンみたいな素人の姉ちゃん兄ちゃん議員にはできない高度専門
性を求められる課題でしょうね。
※25日の外務省高官(トップクラスの外交官)は、立場上、「総理」の方針
云々は語りましたが、民主党政権云々とは関連させずに語りました。
でも、頭が並はずれて優秀そうだから、念頭には深く入っていたのかも・・・
と今にして感じています(苦笑)。
26日に、
消費増税法案が衆議院を通過した前後の議員発言を聞いていても、
お利口な高校生や大学生より低レベルで、人によっては浪花節ですよ。
(保身の屁理屈はもういいから早く辞めてちょうだい!と言いたくなります)
最終責任は彼らに国政を託している選挙民(国民)にあるのだけどね。
気分一新に・・
帰り道の帝国ホテル
ロビーで・・・。