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  アメリカの「Tea Party 」を耳にしご存じの方は多いと思いますが、
今や全米で100万人以上の会員を持つ保守派の運動グループで
「大きな政府」※1に抗議し、2010年11月の中間選挙では共和党が
躍進する原動力になって注目されていますよね。
 Tea Party(いわば茶会)というネーミングは,独立戦争前の
1773年12月16日にボストン湾で起きた「ボストン茶会事件」※2
(写真左)に由来するものですが、TEAは Taxed Enough Already
(税金はもうたくさんだ)の頭字語とも掛け合わせているとか。

 そんな団体の創設者の一人といわれるケリー・カレンダー女史が
初来日して、目的、現状や日本に向けてのメッセージを伝えるべく
12月17日、市ヶ谷で講演をしました。(写真右)

<カレンダー女史・話のポイント>
 ①活動を2009年2月から始めたが、ソーシャルメディアを駆使して
   1年以内に100万人の集会を開けるようになった。
 ②ボストン茶会事件と同じく「自己責任と自由」のために行動している。
   国民が声を上げない限りは政府は増税の方向に持っていくのだから
   メッセージを発信する責任は国民にある。どう教育するかが重要だ。
 ③税率を含めてルールを誰が決めるべきか。政府に任せるのではなく
   本来は国民が決めることだ。
 ④増税をすると国の元気がなくなっていくし、税収減もありうる。
  また、政府(の権力)がどんどん大きくなっていくだろう。
 ⑤メディアは100万人が集まっても1万人としか書かない。自分たちで
   newsをつくり、管理し、手紙を新聞に送り、原稿の内容を記者に
   任せない方針をとっている。
 

 ※1「大きな政府」 big government
      政府の市場介入を強化し、政府・行政の規模や権限を拡大して
   社会の平等や均等、高福祉を図ろうとするもので、政府の財政
   支出が増えるため、国民の負担率も高くなる。日本型社会主義も
   この範疇に入るとされている。            これに対して
   「小さな政府」 limited government は政府の市場介入を最小限
   にし、政府・行政の規模や権限を可能な限り小さくしようとする思想
   (アダムスミスの自由主義)で、低い課税、低福祉・低負担とともに、
   自己責任を志向する。(Tea Partyは小さな政府論に立脚する)

 ※2「ボストン茶会事件」
   アメリカが英国の植民地だった時代に、イギリス本国の政策に憤慨した
   急進派が、ボストン湾に停泊中のイギリス船に侵入し、東インド会社の
   船荷の紅茶を湾に投棄したアメリカ独立革命前の象徴的な事件。 
 
   

 <別行動を始めた東京の若者たち>
   ここで注目すべき話に転じますが、市ヶ谷での講演会の主催者は、
  米国tea partyと連携して日本版を開設したまだ30歳の若者であり、
  私にとっては7,8年来、地域主権をテーマとする優秀な研究仲間です。
  彼は早大生の頃からNPOをつくって社会的な活動を起こし、あの東国原
  さんが、宮崎県知事に立候補した時、20代半ばでマニフェストを作成して
  選挙参謀を務めるなど、学部の卒業直後から人に給料をもらうことなく
  自賄いで、今や私の収入より遥かに稼ぎはよろしいいのでは?(笑い)

   で、上記講演会の参加者(100名弱)のうち7~80%は現役学生を含む
  20代中心の若者でした。前々から日本版が活動を始めており、私も時折
  見学的に応援してきましたが、いつも大多数は2,30代に占められていて、
  また、東大の学生・OBなど一流大学から官僚・一流企業への就職という
  路線を選択しない「自営エリート」が静かに行動を始めていますね・・・。

   2011年の春、地元の区議選に出る知人の若者支援のため、事務所開
  きに駆けつけたら、自宅兼事務所が玄関迄東大早慶の現役学生を中心
  に20代で埋め尽くされていたことに驚きました。(私はかなり場違い・苦笑)
  いわばソーシャルネットワークで初対面の人々も応援にやってきて、その
  彼は初挑戦で無事に当選しましたが。
  「今の若いもんは・・」とつい、言いたくなる場面もあるでしょうが、優秀で
  ジェントルでパワフルな若者が育っている確かな印象を受けています・・・。