熟女はご意見番

2013年05月

ソウルの経験をつぶやきに

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青山英子さんと
(ソウル郊外で)





 5月10日、JETROの所長ーO.雅子さんの案内で、ソウル郊外
にあるバラ農場を見学に行きました。
日本に住んで帰化した後、韓国に戻った青山英子さんは、数千坪
の農場で700種類以上のバラを育て、その苗木に枝が何本あるか
の知的所有権付きで農家に販売しています。
 それから日本にも輸出されるようで頭が良いビジネスだなと・・・。

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      UYEMURA社長の
      早川徹治さん(右)








  続いて訪問した㈱ウエムラは本社を大阪に置くメッキ薬品の工場で、
最近、韓国が造成した外国用工業団地に支社(新工場)を開業した。
日本から原材料を輸入する素材産業で主な販売先はサムソンとのこと。

バラ農場もメッキ工場も、課税免除のインフラで事業を進めており、
両国の政治的な関わりがギクシャクしても、大事な間柄なんですよね~

 ただ、ウエムラを見学した折に近隣の外国企業は社旗、国旗と韓国旗
の3本を掲揚しているのに、ウエムラは日章旗を掲げていないのです・・・。
日の丸を堂々揚げられない微妙な空気を政治家は分かっているので
しょうか。

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日本国大使館前
の従軍慰安婦の
像にて











 大阪の橋下徹市長の発言が物議をかもしていますが、
皆さんが言うように、ガード下の飲み屋で、おじさんたちがしゃべる類
の話でしたよね~ 徹くんは公人なんだからよ~く考えて発言を!!

 その慰安婦の像は今もソウルの中心街にある、日本国大使館の
道路を挟んで向かいにありました。
足元には靴やら花が供えられています。日本人からしたら、これを
許容している国の品位を疑いたくなるけど、「足を踏まれた側」はその
痛みを永久に忘れないことを、心に留め置くしかないでしょうね~

 先日、新宿の大手監査法人に行く用事があり、所長にお会いして
話を伺っていたところ、橋下市長の発言や、安倍内閣・閣僚たちの
靖国参拝の話題が出ました。
 「国家を支えているのは、民間の経済活動で、日本も韓国も中国も、
それぞれの民間人は政治の揺れがあろうとも、交流しながら国を支え
ているのに、政治家はなぜ邪魔をするのか。
本来は経済活動が順調に運ぶように支えるのが政治の役目だから、
余計な発言をせず、靖国に行きたいのであれば深夜に行って欲しい」

 本当にそうですよね~
そもそも総理大臣にせよ、市長にせよ、税金で養われている立場に
ありながら、どこか勘違いをしているのではないでしょうか・・。
権力をもつとどうやら良識や感性が麻痺するように思えませんか?

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    今回は珍しく自画像を入れて
    いますが、

    ソウルの繁華街で見かけた
    美しい色合いの衣装を右に。
    韓国人は色のセンスに優れ
    ているなぁと思いますよ~

赤唐辛子の韓国人恐るべし

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ソウルの
JETRO
事務所で






 気候が爽やかな5月9日から韓国のソウルに出かけてきました。
2002年のワールドカップ以来、11年ぶりの韓国ですが、羽田空港から
2時間弱と近くて遠い国。いつの間にか街は随分変わりましたね~
(帰りは仁川空港から福岡まで58分でした。殆ど国内便の距離ですね)

 同行者は長野県議のKゆかりさん(中央)で、訪問先はJETRO
(日本貿易振興機構)ソウル所長である O雅子さん。(右)
いすれもW学校の同級生なんですよ~ (年齢は少しづつ違いますが)

何に行ったのか・・・ですか? 
 今あちこちで取りざたされているTPPを巡り、韓国のFTAの実情と照らし
あわせて、どんな影響が及ぶのか、及ばないのかの視察に出向きました。
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その話は別にして、
 美味しいと評判の焼き肉をいただき、夜は芝居の見物もしましたが、
韓国人の元気の源は、まず唐辛子かなと思いました。

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      こちらはかなり
      上品な焼肉。







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ソウル郊外にある
地元住民の食堂
で・・・






  韓国人は朝昼晩と唐辛子が入った辛味の食事をとっています。
味噌汁まで辛い。緑の野菜かと思いきや青唐辛子で更に辛くて・・・
上の写真で見るように、どんな惣菜もオレンジ色に染まってる(笑い)。
すべてキムチカラーみたいなものです。
新陳代謝が良くなり、テンションが高まるようで、恐るべし韓国人!!

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    劇場で芝居を観ると









 ソウル市内の劇場で若者向けの芝居を観ました。
歌い、踊り、太鼓をたたき、騒ぎまくる。「やかましいわい!」と言いたい
舞台でしたが、私の連れがその最中に居眠りをしていたら、出演者に
指をさされました。えっ! おちおち休んでいられませんよ~(苦笑)。

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露店がぎっしり








  夜更けのソウルに延々続く屋台街。おじさんたちにお姉さんも混じり、
飲んで食べて、おしゃべりの声が天まで響いている感じ。
東京の都心でいえば、有楽町のガード下か新橋・飲み屋街の拡大版。

  韓国人1人当たりの所得でいえば日本の半分だし、サムソンを代表と
する一部の財閥系は例外として、経済的には日本の方が優れています。
でも、全体に元気がみなぎっているのですよ~
イケイケドンドンの類でしょうか、中国と同様に陽が昇りそうな国であり、
片や陽が落ちそうな気配の国(国民)とは対照的なものを感じたことは
事実で・・・日本人ももっと辛いものをいただきましょうか? (苦笑)

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<韓国の概要>

面積:10万KM (日本の1/4)
人口:5022万人
1人当たりGDP:22.424ドル
在韓邦人数:30.382人







憲法変えてどこへ行くの?

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時代が変わり?
憲法を変えて
日本はどこに・・







 昨日5月3日は「憲法記念日」で、新聞もテレビも憲法改正の話題満載。
自民党の政治家たちが待っていましたとばかりに、96条を突破口にして
天皇を象徴から「元首」に変え、自衛隊を「国防軍」にし、「公の秩序」を
理由に、国民の言論や行動に規制を加えようとしているのですが、
多くはダンマリ(YES)で「いつか来た道」に戻っていきたいのでしょうか?

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 国民は善良にして、でも愚かな経験をたくさん積み上げてきた筈ですが、
NHKの調査によると、6年前に較べて「憲法改正反対」が41%から30%
へと大きく減り、足元が揺らいできていますよね。
 特に、私たちが選んだ政治家たちは、硬性憲法である「改正手続きを
より簡単にしようよ、賛成!」が多くて、夏の参議院選の結果により、つまり
国民が自民党を主力に承認すれば、そのノリで国民投票が通過して・・・、
一般の法律並みに、スルスルと憲法が変わる危険が待ち受けますよ~
(毎年総理が変わるように、国の理念たる憲法もコロコロ変わりそう・・・)

<憲法と法律の違いとは・・・>

 ①一般の法律は「こういうことをしてはいけませんよ、違反するとこういう
  罰則を受けますよ」と、統治される側(国民)を縛るものですが、
 ②憲法は、「権力をもつ側はこれをしてはならない、これはキチンと守ら
  ねばならない」と、統治する側がなすべきことを定め、権力の暴走を
  抑える目的のものです。

 ⇒ところが今の憲法改正論議は、権力主導で国民に責任や義務を課そ
  うとするもので、憲法のイロハも分からないような政治家が大声を上げて
  いる印象ですけどね・・・。

 
  言っちゃあ悪いけど、北朝鮮をめぐり、最高度に微妙な時期にあって、
   中国や韓国との関係改善を望めば 「今、靖国神社に行くことは差し控え
   てくれ」と押える立場にある総理なのに、2国の反応に青筋立てて、
   「脅しには屈しない!」なんて暴言を吐いて折角の雪解けを逆戻りさせ、
   (アメリカからも不快感あり) 小細工してから又居直る。
   マッチポンプみたいな外交は、世界の舞台から浮くばかりでは?
   加えて、福島原発の後始末も半端で、最終処分場も決められないのに、
   無責任にも海外まで原発を売り込みに行っているんですよね~

  こういうセンスと、高くなさそうな思考レベルの持ち主《張り子の虎?》に、
   「安倍さ~ん、頑張れ!」なんて・・目先の利益に期待をかけている人が
   結構いることにヒンヤリ怖さを感じませんか? (嫌な予感・・・)

     参考までに・・、安倍信三が崇拝する祖父の岸信介は太平洋戦争後に
   A級戦犯として逮捕されたが不起訴となって処刑は免れ、公職追放された。


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9条(戦争放棄)について、自衛隊サイドは

 先にblogで書きましたが、知人の防衛大学教授(航空自衛隊幹部出身)
は勉強会の席で、憲法9条は変えずとも国を守れると語りました。

 日本の軍事力は世界のベスト5に入るような装備を持つし、戦後68年間
「戦争せず、誰も殺さず、誰も殉職せず」に大きな誇りをもっており、
あと、32年戦争をしなければ、100年不戦のスイス、200年不戦のスウェ
ーデンと並んで世界の畏敬を集めることになるだろうと。
 自衛官は誰も戦争をしたがらないし、現状で対応できますとも語りました。

 私は彼から10回くらい戦史を含めた講義を受けてきましたが、いつも冷静で
客観的で、安心して話を聞ける防衛エリートです。
 でも、最近の国内世論や声高に憲法改正を叫ぶ政治家、近隣諸国の動き
には自衛官になって数十年、初めて危険な臭いを感じているようでした。

※自衛隊のエリートがこのままで国を守れるし、現実守ってきたと言っている
  のに、権力は誰のために、何のために9条を変えたいのでしょうか?
  

<終戦までの70年は戦争の繰返し>

 日本の敗戦から約70年が経ちますが、日本人はお上に依存する意識
が高く、国の行方に関心を持たないけど、いざ事が起きると急変して熱くなる
国民性をもつようです。
 歴史の教育が浅いのか過去を知らず、政治を人ごとに思うDNA(?)は
誘導に乗りやすいのかもしれませんね~ それを実証する過去としてー

日本は明治から1945年までの70余年、戦争を繰り返してきました。
つい最近まで「戦争好き」だった日本人は、決して綺麗ごとでは済まされない。
戦後70年を経て、この重い歴史を、皆さん、ケロリと忘れていませんか?

1894年(明治27年)~ 日清戦争
1904年(明治37年)~ 日露戦争
1914年(大正3年) ~ 第一次世界大戦
1931年(昭和6年) ~ 満州事変
1937年(昭和12年)~ 日中戦争(支那事変)
1941年(昭和16年)~ 第二次世界大戦
1945年 敗戦


<憲法を知らず使いこなせなかった人々に作り直せば
  ちゃんと守る保証がどこにあるのか・・・筑紫哲也>


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2006年、お元気
だった筑紫哲也
さん(早大にて)










 2006年1月、早稲田大学の客員教授として定年を迎えた筑紫さんは
最終講義で「もっと知を高めるように」という趣旨の講話で、憲法に触れて
今を予測し、様々な警告をされました。(⇒2008年11月逝去)

①憲法はこれから大きな政治課題になるだろうが、この国はそれに
 大きなエネルギーを注いでいるような暇があるのか。

②憲法とは本来何なのかの議論をせずに、最低限必要な「知」や情熱や
 意思を私たち(国民)が持って変えようとしているのか。

③「憲法は松明」だ。自分たちがこういう社会や世界を作ろうという理念
 や理想が必要。
 多くの憲法論議では「憲法は現実に合わない」と言っている。現実に
 合わせることが憲法を作ることなのか。
 (「人権の平等」を謳えば実現
 するかどうかは、アメリカの憲法と現実を照らし合わせればよく分かる)

④我々は今の憲法をどこまで使いこなしているのか。敬意もなく、元々
 どうでもいいと思ってきたものを、いくら作り直しても空論ではないか。
 (だから無駄なエネルギーになる)

⑤アメリカ人には憲法が定着していて、デモで逮捕された時、「自分たち
 の行動は憲法〇〇条で保証されている!」と叫ぶ。
 日本人は人権規定のどこに何が書いてあるか、殆どの人は知らない。
 ろくに今の憲法を使わず、自分の血や肉にしていない人たちが、憲法を
 作り直せば、ちゃんと守るという保証がどこにあるのか?
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こういう呼びかけのできるジャーナリストは今や見当たらないですよね~
  改めて、筑紫さん亡き後の日本に不安を感じています。

※もう一つ、筑紫さんはこんなことを訴えかけました。

①「男たちの大和」という映画を観て、最後は怒りで一杯になり映画館を
 出てきた。  「知」とは何か・・・

 「愛国心」と「ナショナリズム」(国家主義)の区別くらいはきちんと分から
 ないと、愛国心を利用して、ナショナリズムにすり替えようとする意図を
 もった人々(権力者)に操られる。この映画もそうだ。

 
20世紀で最悪の政権の一つだったヒットラーのファシズム、ナチズム
 は熱狂的な民主主義によって生まれたことを忘れてはならない。 

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 この先、「憲法改正賛成」がじんわり増えていきそうな傾向ですが、
皆さんは、平和憲法を変えてどちらに行こうとしているのでしょうか?

声を上げない限り、権力者の利益に引っ張られていきますよ~
せめて、筑紫さんのこの話を知合いに転送・紹介して下さいね。








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