講演する
武村さん
(国際文化会館)
7月17日に、知人の紹介で40名程の勉強会に参加し、
武村正義さんの時事放談を聴いてきました。
武村さんといえば、1934年(昭和9年)生まれの78歳。
自治省を経て30代で四日市市長、40歳から滋賀県知事を3期、
その後52歳から66歳までの14年を衆議院議員として過ごし、
この間、新党さきがけ代表、細川政権で官房長官、村山政権で
大蔵大臣と・・・華やかな政治経歴をおもちです。
講演後の立食パーティで、彼にいくつかお尋ねをしたのですが、
東京大学(教育と経済学部)に8年在学し、自治省に入る時には
妻子があり、時の面接官、後藤田正晴さんが面白がったとか。
ムーミンパパという愛称の割には180cm近い背丈があって
でも、ホンワカした雰囲気で言うことは明確・・・中々好感度の高い
おじさまでした。
話の中で印象に残ったのは・・・
①日本は戦前の軍事大国から戦後の経済大国へと、堂々たる
国になったが、これからの心配は「人口減」だ。
このままでいくと、50年後には5000万人減って8000万人となり、
敗戦時と同じになる。誰もこの話をしないが、対象者が少ないと
いうことはビジネスも税収も大きくマイナスになる。
「小さくともキラリと光る国」を主張してきたのは、ボリュームより
質実国家をめざすしかないという意味だ。
②外交について、中国とは過去に15年日中戦争をし、韓国には
36年に及ぶ植民地支配をしてきたが、相手に苦痛を与えてきた
ことは明らかだ。だが日本は事実や歴史認識についての教育を
していない。相手側はしっかりと教育しているため、この隔たりが
埋められない。
③アベノミクスについて、出だしの評価はできるが、危うさを兼ね
備えている。
1万円札を増刷し、通貨を倍にして2%の名目成長率を高めると
いうことは、政府が銀行から買い入れている大量の国債について、
同率で金利が上がるということだ。
④日本は今1000兆円の借金を抱えているのだが、国債の金利が
2%UPすれば、20兆円の利子を払うことになる。
3%UPで30兆円だ。日本の税収は40兆円しかないのだから、
収入の大半が利子に消え、仮に金利が4%になれば、年間の
税収はすべて利子になり、公務員は全員解雇で政府が崩壊する。
⑤今回の参議院選で、自民党から共産党まで、どこも財政再建に
触れていないが、財政赤字と人口減少は最大の負の問題。
⑥民主党は完全に凋落したが、消費税を5%から10%にすると、
最も嫌がられる政策を実現したことは野田さんに感謝すべきで、
この点はもっと評価していい。
自民党は選挙に勝利するだろうが、今まで先送りをしてきた増税
や財政再建について本気でやるかどうかが問われる。
ヘッジファンドや利害関係団体を含めて世界が見つめている。
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食事をしながら個人的な質問をし、話を伺ったのだが「この先の
日本はどうすれば問題解決が進みますか?」の話題の中で、
「テレビでは話せないけど、落ちるところまで落ちて、ちょうど敗戦
時のように、崖下から這い上がるしかない状況が一番の解決では
ないか・・・と思うし、周囲にも同じ意見が多いですね~」と。
私も同感です・・・。
21日朝のTBS
時事放談で
選挙当日の21日(今日)朝に、TBSの「時事放談」に登場。
片山善博さんと政治選択のポイントを語っていました。
17日の主張の軸から全くぶれないところが武村さんの人柄
を滲ませている感じで、いいね!