熟女はご意見番

2015年05月

女性幹部を30%の違和感

    4月末、主宰する塾で勉強会を開いた折、国際機関IMF(世界通貨基金)
の広報マネージャーと、総合商社の欧州本社マネージャーというバリキャリ
国際人(40代)2名を講師にお願いしました。
テーマは『日本の成長戦略ー行動を促すために必要なこと―』。

 アベノミクスの成長戦略の中に「女性の活用」が含まれていますが、
なぜ女性の活用が進むと経済成長にプラスになるかについては明確に
説明されていませんよね・・・。(「理念なき目先の方針」の印象です)

 北欧は女性の社会進出における先進国の典型ですが、
1970年代までは就業率が低かったとか。その後徐々に長時間労働を
やめ、父親の育児休暇の権利を徹底し、保育所を増やした結果、社会
進出がめざましく、女性のリーダーを数多く輩出したようです。

 ここで『ゴールデンサークルと、まずwhy から始めよ』(サイモンシネック)
が話の中心になりました。(下の写真でホワイトボードに記載)

「why」は理念であり、信念・信条、志、企業理念で、
「how」は実現するための方法、
「what」は実現するためにすること(ex.女性幹部を増やす)

本来は、why ⇒ how ⇒ whatへと進むべきところ、
大半の人や組織は自分が何をしているかを知っているが、なぜそれを
しているか(理念)をあまり理解せず、曖昧にしたりする・・・なる程!
安倍政権が広報している『2020年までに女性の管理職を30%』も根拠
はよくわからない。これだと「政権が変わると同時に消えるだろう」と疑い
ながら聞き流している人が多いでしょうね。ある種のオオカミ少年・・。

 総合商社の欧州マネージャーが具体的な事例を出して説明してくれた
のですが、女性幹部の数値目標を上げれば日本が競争に勝てる国に
なるのではなく、フィンランドの基本的価値観にあるように
まずは『女性と男性の機会の平等・・・日常生活において性別に関わる
圧力や制約を受けず、自分で選択し、能力を発揮できること』が前提に
あれば、裾野が広がり母数集団が増えて、男だ女だを超えて優秀な人
が増えるということ。企業なら国際舞台で戦えるということでしょう。

 高校野球で甲子園に出るために例えば青森県民だけでチームを編成
したら、東京や大阪の母数が大きいチームに勝てるわけがない、だから
全国から選手を集めることが当然なのだ・・・は分かり易い事例でした! 

  これまで女性は学歴や意欲があれど、社会的訓練の場が少ないし、
(そもそも夫の理解度が低いことを中高年の妻族は皆認識している)
逆に甘やかされて上げ底の靴を履いた勘違いの女性が多くいることを
考えると、女性の幹部を増やせば企業や自治体が優秀な成果を上げ
競争力が上がるという説明の違和感。女性もピンからキリまでいるの
だから、能力の低い女性を上げ底で優先したら目的がずれるでしょう。
⇒すべての機会平等・・・これこそがパワーになるのだと納得しました。
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参考までにOECDによる男女平等ランキングは(2014年)
142ケ国中、日本は104位。韓国は117位ですが、近々抜かれるようです。

また、女性の政治への関与では、日本129位。何とも情けないですね。
                                                                                                                                                                           

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300年後の日本,人口660万人

最近興味深い話題に接しました。  

 今月末にある勉強会に参加の予定ですが、
テーマとして『30年後の日本はどうなっているか』・・・です。

 国のGDP総額でインドの4分の1、中国の6分の1になり、
インドネシア、メキシコ並になるとか。
@国民1人あたりだと、韓国の半分、今の中国と同じ、更には
東ヨーロッパ並みになるそうです。
ちなみに中国の1人あたりGDPは2014年で7589ドル、
 日本円に換算して91万円です。世界ランク80位


 国力の衰退は人口とも関係がある筈だから、未来予測を示
すデータを引っ張り出し300年先、500年先を調べてみました。
 トップレベルの生命保険会社・研究員の示す数字によると、
現状の(合計特殊)出生率をあてはめて、男女1対で1.3人の
誕生は、国民@1人で0.65人の再生産となり、しかも子どもの
誕生に関われる年齢を15歳から44歳の30年間に絞ると・・

2330年には660万人、2500年にはたった17万人!!
(以前、350年後には日本人ゼロと聞いていたので、150年分
の誤差はあるけれど、このままでは限りなくゼロに近づく・・)

660万人といえば、今の千葉県とほぼ同じで、日本列島から
都道府県が殆ど消えて、千葉だけが生き残るということに。

(参考までに現在の人口を多い順にみると、
東京都1300万人、神奈川県900万人、大阪府880万人、
愛知県740万人、埼玉県720万人で千葉は6番目です)

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 最近の安保関連法案など「国防という名の病気」の進行には
かなり絶望感を持ちますが、国民が相変わらず『今・金・自分』
から経済優先にして、政権与党を選んだ結果ですし、
何よりも、次世代の多くは戦争なんて起るわけがないと思いこん
でいるので、天皇陛下が遠くパラオの地から世界に向けて反戦の
プレゼンを懸命にされようが、映画でもTVでも、知識人がその悲惨
さを訴えようが周波数の違う人々には無力ですね・・。

 過去の歴史から振り返ると戦争は知らず知らずに引きづり込まれ、
しかも世界から孤立していく過程で起きていますよね・・・。

 300年後、500年後を考えるまでもなく、10年後、20年後も危なく
なってきたけれど、場合によりもう一度キョトンとしている若者たち
に生命の瀬戸際を体験してもらい、痛い思いで反省してもらうしか、
もう「特効薬」はないのだろうと感じることが多くなりました。
国が戦争を繰り返すということはこういうことなんでしょうね~

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懐中電灯で学ぶネパールの少女

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             (2011.5.10  訪問したさくら寮で)


 ちょうど4年前にネパールのカトマンズに行きました。
その時のレポートを下記に再現します。
2015年4月25日の大震災に対して、なぜネパールなの? と無念の中、
あの際にお世話になったガイドさんや、出会った人たちの無事を祈りつつ。
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カトマンズに住む旧知の日本人に声をかけていただき、2011年 5月の1週間、熟女4人を誘ってネパールを旅行してきました。各地での鮮明な映像が今も脳裏に焼きついています。

 これまでにもアラスカ(最北端のバロー)、情熱みなぎるブラジルとアルゼンチン、常に一触即発のイスラエルとパレスチナ、遠藤周作の「深い河」が描くインドのベナレス、闇を感じた北朝鮮(NGOで子供の援助に)、北京も上海も住民全員が人民服と人民帽だった30年前の中国、延々45℃の砂漠を行ったシルクロードなど、強烈な印象を受けた旅先は数多くありますが、今回はこれらにも増して生涯忘れえぬというより「この国のことは決して忘れてはならない」と自らを戒めています・・・。

<ネパールは、おおよそこんな国> ↓

 人口3000万人、紀元前6世紀に釈迦(仏陀)がルンビニで生誕したとされ、インド文化圏の中にある。
国土は最高地点にあり、エベレストを含む8000メートル級ヒマラヤ連邦を仰ぐ。
2001年のネパール王族殺害事件を経て、2008年に240年続いた王制を廃止し、ネパール連邦民主共和国に。
大統領や首相を選び暫定政府を置いているが、憲法はなく政治の混乱は今も続いている。
宗教的にはヒンドゥ教徒が80%、農業国であるがGDPは1人@$1200で、月平均1万円前後で暮らす。
失業率42%、貧困線以下が31%を占める。人口全体の平均年齢は20歳で65歳以上は3.8%,(生誕時)平均寿命61歳、15歳以上の識字率は全体が約50%で、このうち女性は35%に過ぎない。
電力が弱く毎日14時間は停電する。
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 貧富の差が大きいというよりも、あまりに貧しい人々の群れが多く、シャワーが降り注いで多雨なのに水道施設が整わず沐浴や洗濯は川でが多いし、街の至る所でゴミの山が散乱している・・・。  
 昨今の日本にいて、国や地方政府のガバナンスのあり様を論じることも多々ありますが、そんなロジックも吹っ飛んでしまいそうで、私はネパールに何ができるのかを考えると、3,11の東日本大震災と同様、自分の無力を心底感じざるを得ませんでした・・・。

 特にある所で見せていただいたビデオー10歳にもならない少女たちが売られていく現実には、21世紀になってもまだこんなことがという怒りと絶望感を持ったものです。
 それでも、未来への希望を抱かせてくれたのは少年少女の笑顔でした。まるで太陽に輝くヒマラヤ連峰であり、きらめく星座みたいに・・・。

 カトマンズの近郊ポカラにある「さくら寮」は、日本人のNPO法人(※)が基金を作り寄附を集めて、特に差別を受けがちな過疎地の少女に基礎教育をつけるための女子教員を育成している20名足らずの私塾です。
 日本の明治時代、おしんを思い起こすような貧しい環境に置かれていた地方から、片道2日も3日もかけてカトマンズに出てきて、ネパールの将来に向けて良い教師になりたいと勉学をしているのですが、毎日14時間も停電する中で自炊し、夜は懐中電灯を照らしながら読書をする・・・。
 ひるがえって普段の日本では、停電は勿論、飢えることもなく、恵まれて最高学府までいく若者が多い中、一体誰のために何のために彼らの学びを導いていけばいいのでしょうか。

(※)認定特定非営利活動法人「日本ネパール女性教育協会」
   事務局:東京都中央区八丁堀3-24-1-1001
   E-mail iwatani@m7.gyao.ne.jp     http://www.jnfea.net

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