このコラムは、現役学生
への就職支援の活動で、
面接について助言した
ことをまとめたメモです。
<はじめに>
面接試験というとドキドキしますが、柔らかくいえばインタビューであり、
もう少し気軽に考えると結婚の「お見合い」と同じでしょうね~
だから、面接を受ける側も相手を選ぶ場を与えられたと考えましょう。
かくいう私の助言のベースですが、
東京都庁で1万人の労務、人事制度、研修・評価などを10年以上経験
して延10万人を見つめ、民間企業で総務部長、専務、代表取締役として
採用と選考にあたってきました。
もちろん私自身も何度かの面接を受けてきた経験談を踏まえてです・・・。
※面接の指南書は本やネット上でたくさん入手できると思いますので、
このコラムでは既存のマニュアルを参考にせずオリジナルで考えました。
採用担当は何を観察するのでしょう
①予め提出されたエントリーシートなどを本人との直接会話で内容を確認し、
大学や大学院の専攻・論文と社会に出てからの意思、エントリーしてきた
就労希望先(事業分野)とにおいて、一貫性や関連性が認められるか。
(曖昧で行き当たりばったりな人は長続きしないから避けたいと考える)
②役所も企業も受け継がれた雰囲気や伝統的なカラーがあるから、勉強
面での能力があればそれでOKというわけではありませんよ~
志願者のキャラクターが全体のチームカラーに沿うのか。そのための
コミュニケーション能力、表現力は大丈夫か。
③採用後のしばらくは、役所にも企業や団体にとっても素人だから、育成の
必要があるが、突っ張らずに能力が伸びていくポテンシャルがあるのか。
(成長過程での素直さはとても大事に考えられているでしょうね)
相手をよ~く知ってから行きましょう
①今はPCで何十ものエントリーシートを簡単に提出できるようですが、
いざ、面接となった際は、相手の沿革、事業内容、規模、経営方針、
トップのプロフィールや採用方針はきちんと調べてから臨みましょう。
簡単な会話でも自社のことを念頭において回答しているか否かは採用
担当にはすぐに分かるものです。(相手はプロですからね~)
②会社案内やホームページはフォーマルな表現で良いことづくめのこと
が記載されています。現実的には表と裏があるかもしれません。
「本当はどうなの?」についての本音部分はOBやOGを訪問して聞いた
方が(規模を縮小しているよなど)リスクを避けることができますよね。
(もし卒業生の推薦が可能であれば)
相手企業にとって信頼できるOBOGの推薦は安心感が生まれますし。
自己アピールをバランス良く
①自己紹介や応募の理由を求められたら(先方の指示にもよりますが)
1~2分でシンプルに、でも濃い目の内容でハキハキと答えましょう。
相手の眼を見て、こわばらず微笑みを浮かべる余裕が欲しいですね。
見合いと同じだから、好感度を高めて気に入ってもらう努力は大事
ですからね~
②自分の性格のプラスとマイナスはセットになるでしょうから、
例えば「表舞台で主役になれるタイプではありませんが、脇役として
縁の下の力持ちには向いており、地味な仕事でもコツコツと責任を
もってこなせることには自信があります」と言うと、「おっ!こういう人が
欲しいよね~」となるかもしれません・・・。
③応募の理由やいきさつは結論から明確に。
結論を最後にして前提をダラダラ話すことは、聞き手にイライラ感を
与え、「何を言いたいのか、分かりにくいやっちゃなぁ」で終わってしま
いがちですよ~
④学校(学習)以外の活動実績も大事な評価対象になると思います。
大震災でのボランティア、サークルでのリーダー経験、体育会での大会
出場歴と順位、NPO・NGO活動、趣味などについて、仕事でもかくかく
生かせますなどと繋げながら説明しましょう。
⑤こちらからも採用担当者について何歳ぐらいかなー、固いか柔らかい
か、神経質か大らかか、理論派か現場重視かなどを見極めながら
その人にあわせて回答できると余裕ありですね。
採用担当が理不尽で合わない場合や威圧的な場合は、そんなところは
やめちゃいましょう!(笑い)
マナー・服装・髪型など
①就職させてほしいとお願いをする立場だから、礼儀正しくは当然のこと
ですが、緊張のあまりオドオドするのは(相手も緊張させる分)マイナス
になりますね。 「平常心で」面接も楽しみましょうよ!
②個人的には、頭からつま先までリクルートルックに身を包んだ人の群は
苦手ですが、グレー系のスーツを着るとか、Yシャツやブラウスに薄めの
色がついても、そんなことは殆どマイナスにならないと思いますよ~
キラリ光る個性の演出ができたら、(ひたすら「皆なと同じ」に拘る人では
創造力に期待できない)オリジナルなセンスが買われると思いますが・・・。
③外資系は事前にチェックを入れた方がよろしいかもしれません。
日本人の同じ表情、同じ受け答え、同じ服装、集団行動は「まるで軍隊」
と欧米人から見られる傾向にありますから。
④髪型やお化粧は常識の範囲でお考えください。まずは清潔感でしょう。
その他、こんな発言は慎重に
①私が採用側で面接をした際に、「入社したら何をしたいですか?」と聞くと、
「企画をさせてください」と答える人が何名もいたのですが困りものですね~
企業でもどこでも事業展開をするところだから、入って間もない新人が
思いつきで簡単にできる仕事ではないのです。
マーケティングリサーチで市場があるかを調べ、人件費を含むコスト計算
をして利益を割出し、作業の行程とタイムスケジュール、チームの編成、
在庫の扱い、流通、宣伝までを考えた収支の計算など・・・何年いても出来
ない人がいるような難所の世界なので、簡単に口に出すのは(軽い印象を
与えるので)やめた方がいいでしょうね。
②同じように、役所の面接で 「街起こし、地域起こし」と簡単に発言すること
は「夢見る夢子さん」と思われがちなので、慎重にした方がいいことも。
街起こしも地域起こしも、本来の目的は地域経済の活性化なので、商売
っ気や営業能力を求められる課題です。役人には最も苦手な領域ともいえ、
予算が許せば、コンサルに依頼する傾向にありそうです。
※但し、地方の事情によりますが、役所にネットワークや情報が集まっている
所では、地域再生が役所頼みということもありそうなので、ご自分の志望先
に応じて、嗅ぎ分けてくださいね。
※そもそも公務員は3年位で全く別の分野を異動するから、「これをしたい」
と望んでも続けられない事情もありますので、この辺りは念頭に・・・。
※国の省庁や東京都庁などの大官庁は専門分野が幅広いので、例えば福祉
や医療、都市政策など同一局内での異動が多く、平均的な自治体よりも
専門性が重視されるように思います。役所にも規模により差がありますね・・。
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これらが少しでもお役に立てれば嬉しいですよ~
では、ご武運を祈ります。希望の道へGO!!