<再び「ALWAYS 三丁目の夕日」‘64


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 映画の宣伝部みたいですが(苦笑)
2005年、2007年のヒット作
が5年ぶりに再び戻ってきましたねー。

 あの時代には子供が広場で遊ぶ声を背に「明日も良い日に」と
皆なで夕日を揃って眺め、長屋に住んで銭湯に通い、食事を分け
合い貧しさを助け合い、テレビも電話も近所同志の行き来で始ま
った。


そして国の経済が成長して、部屋も家具もテレビも電話も個々とい
うパーソナルなライフスタイルが確立されてからは、家庭も地域も
学校もヨコの連携が希薄になってきて、ともすれば各人がタコツボ
に入ったまま助け合いや自己表現を避けて言葉すら発しない傾向に
なってきたように感じませんか?


でも「これって何かおかしくないの?」と思う人々が相当数いる
から映画「三丁目の夕日」に郷愁を覚え感動を呼ぶのでしょうね。

<人を繋ぐ原点が消え孤独な単品に>

昨今のタコツボ社会、町会や小中学校のクラス、PTA、同窓会か
らも名簿が消える風潮で、それが当然のようなムードの支配に怖さ
を感じています・・・。

丁度17年前の1995117日の阪神大震災。地震が起きて8日目
に私は東京を出て、大阪から船に乗り神戸に行きました。

 一様に住宅が押し潰された長田区で、タクシーの運転手から聞い
た話が痛いほど耳に残っています。「この辺りは発生時、テレビでは

放映できない悲惨な場面が広がり、あちこちの瓦礫の下からうめき声
が聞こ
えていました。そんな命を救えたのは長いご近所付き合いがあり、
人と人とが繋がっていたからです。
『この家の2階の南側におばあちゃんの
部屋があったから、早くこの
瓦礫の下を探してください!」と。 イラスト:NEWROCK YUKO
 

木綿子A


                  


















 
現在は名簿という人を繋ぐ命綱すら葬って地域や集団で生きる原点
を失い、益々人間が孤独な単品に分断されてきたように思います。
 そう、氏名も連絡先も顔すらも隠したがる人が多くなり、メンタリ
ティはコソ泥の抜き足差し足?(苦笑)。
そして孤独に追い込まれる人が増えると犯罪や心の病も多くなる・・。

 学校でもクラス名簿や連絡網が不備なので、わが子の同級生にどの
地域から何人いるかも分からず、帰宅が遅くても連絡し合えない不安

を聞きます。


手元に何ら資料が残らないことは、将来同窓会も開けないことに
なりますが、既存の同窓会も名簿に慎重すぎてネットワーク形成のプ
ラスを考えず、むしろ悪しき風潮を加速させているかもしれません。


理由としてよく2つを耳にします。

   「個人情報保護法」があるから。

   名簿が業者に渡ると、DMや電話勧誘や詐欺に使われるから。

⇒①の多くは法の誤解があり、至る所で過剰反応だらけですね。

   について確かにリスクはあり、だから保護法が制定されたの
でしょうが、個々人は最低限の情報開示を拒む結果生じる
マイナスを斟酌してほしい。
外部の圧力には個々人が「
NO!」と拒絶する自己防衛の姿勢
を養わない限り社会はどんどん萎縮し、人は孤立して追い込ま
れていくのだから。

<個人情報保護法って何?> ※「個人情報の保護に関する法律」

 「個人情報保護法」は2003年(平成15年)5月に成立し、2005
4月から施行されています。
 法の対象は「
5000人以上の個人情報を有する民間の事業者」で、
平たく言えば「名簿事業者への安全管理」を刑事罰と共に義務付けた
もの。だから「法は名簿の作成を禁じたものではない」し、
5000
未満の小規模な町会や学校のクラスや同窓会は法の対象外であり、
個人情報を保護する理念で、本人の同意、安全管理、開示、訂正、
削除など常識の範囲で丁寧な扱いをすれば十分こと足りる筈でしょう。

 例えば、町会や学校、同窓会などで名簿作成においては、

   名簿の利用目的や活用について会員に知らせる(同意や認識を
得る)。

   適正な管理の方法を文書(規約など)にして整理する。

   同意なき場合は非掲載の自由を認める。 
が基本になろうかと思います。


                  <「名簿が消えるタコツボ社会2」に続く>