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防衛省の
正門内で









  この前の記事で書いた市ヶ谷記念館の見学を終えて、特別に防衛省

メインの本館に入るには、改めての手続きが必要となりました。
サスガに日本を防衛する本拠地に入るのは、事前の手続き(個人情報の
申告)を含めて厄介でしたね~ 当日は顔と名前の照合をし、本館の入口
では国際空港並みの手荷物検査もありでした。

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 今回のスペシャルな表敬訪問先は防衛省の統合幕僚長でした。
このお役は陸・海・空自衛隊の組織それぞれに幕僚長がいるのですが、
その3名を束ねる制服組のトップで、この統括組織が担う職務について、
大臣の指揮命令はすべて統合幕僚長を通じて実行される要職ですね。

2006年からの制度で統合幕僚監部が組織化され、今は第4代目。
  日本の自衛隊組織は文民統制(シビリアン・コントロール)を原則に、
  文民の政治家が統制をしているため、彼のような制服の最高司令官
  が自衛隊の最終決定権をもつことはありませんが・・・。

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防衛大学のG教授が普段会えないキーパーソンに会えるように計らって
くれた理由は、自衛官24万人の最高指揮官になる人とはいかなる人物か
を未来を担う若者に見つめてほしいということだったと思います。

 10名以上の制服秘書官が立並んで出迎えていただく中、恐るおそる広い
幕僚長室に通されたのですが、主は驚くほどにフレンドリーでフランクな
空将でした。
 同行した若者が紹介されると・・・昨年の衆議院選に出ましたという25歳、
防衛に関心がありますという慶応高校2年生、内閣総理大臣をめざして
いるという早大生などに「君たちは本当におかしな人たちだね~」と笑顔。
 話も冗談交じりで、最後の記念写真の際も「僕は女性とだけ写真を撮る
ことにしています」というので、私も思わず「はい、ではお兄さんたちはお帰り
ください!」なんて・・・ね(笑い)。

 話の内容はとてもバランスの良い考え方で、平たい表現を許されるなら
軍人ともいえるお方なのに、違和感は全くありませんでした・・・。
 若者たちの積極的な質問には本音を出してお答えいただいた雰囲気の
中で、幕僚長は激務の間に「珍客」を楽しんでいるかのようでしたね。

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 ただ、幕僚長も参加者も楽しく盛り上がったまでは良かったのですが、
約束の25分を大幅に上回ってしまったことには反省が残りました。
質問の頃から制限時間を意識していた防衛大の教授は「もう時間があり
ませんので・・・」と何度も口にされたのですが、ブレーキが効かず・・。

 記念写真(上)の終了で退散すべきだったところ、幕僚長とツウショット
を希望する人、名刺交換したい人が出て、せめて1人1分の自己規制
が望まれたのですが、おしゃべりする人もおり・・・。
多分20分近く予定が延長となって、次のアポイントで待機する制服を着
た幹部自衛官や秘書官には多大なご迷惑をかけてしまいました。

 最後どうしたかって? 何せ付添い役の熟年までが立話を続けるので、
若者の手本には?? 最初の声掛けには気付かないから、やむなく
声を大きくして「〇〇、帰るわよ!」でようやくストップしました(苦笑)。

 こういう場面の対処は難しい。でも
①そこが日本の防衛を担う心臓部である自覚があれば、
 自分たちの存在より遥かに優先される決裁待ちを予想できる筈です。
②仮に、訪問先の主役がタイムオーバーを許容する雰囲気であろうが、
 退散は(個人宅や会社への訪問と同じく)訪問側が切り出すべきこと。
③私自身が元官僚なので分かるのですが、お殿さまに向けた来客の
 空間と時間の長占有は、コントロール機能を担う秘書官にはとても
 困った事態だということの認識は民間人には無理でしょうか?(苦笑)
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当日の参加者の大半は20代の若者でしたので、彼らにはケーススタディ
として習得できるように、翌日、ここが問題でしたと具体的に伝えました。
何せ、社会のトップリーダーをめざすのだから、この事例を理解できないよう
では 『リーダー目指すの止め~!』ですものね。

若い時代に組織で訓練された経験がないまま、年齢を経た人は何歳に
なろうが、自分の関心が優先となり、周囲の空気を読むことが難しいのだ
ろうと感じています。 (勿論こういう人には他の得意技がありますよ~)
どんな分野でも鉄は熱いうちに打て・・・でしょうか。

※ご本人はまずかったなぁと反省をしているので、後進のために敢えて
 本件エピソードを公開させていただきました(笑い)。