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10月25日
日本記者クラブ
にて
















 楽天の三木谷浩史さん。1965年神戸生まれの48歳。
眼の前で話を聞けたのは初めての経験でしたが、
高校、大学とテニスに打ち込んできただけあって堂々とした体格です。

 9月5日付で著作『競争力』を講談社から発刊されたので、そのタイミング
で記者会見を開いたということですね。

この本は神戸大学名誉教授の父親、三木谷良一さん(84歳)との対談
 形式でまとめられており、読み応えがあります。
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 三木谷さんいわく・・・ I T 革命の大きなうねりで世界は今、変革期にある。
多くの日本の政財官のリーダーたちには現在も未来も見えていない。
鎖国をしていた江戸時代、幕府や諸藩のリーダーたちに世界の動きが
見えなかったのと、全く同じだ。

⇒う~ん、仰せのとおりかもしれないですね。

 「日本株式会社」として考えた場合、
 行政コスト、法人税、電気代が高く、国としての効率性は低く、イノベーション
 やベンチャーが育たない。官僚は旧態依然の発想で浮世離れしていると。

教育力』ー人に対する投資ーが弱いことも指摘されました。

①雇用の硬直化(終身雇用制の弊害)・・生え抜きが年功序列で経営陣に
 なることはマイナス。
 ※韓国のサムソンは40代前半の副会長が戦略を組んでいるそうです。

②人材の流動化を促進し、官と民の流動性をも高める方向に進めるべき。

③大学は研究者というプロ集団だが、一番硬直的な組織。

④リベラルアーツ(一般教養)の重要性とは、考える力を身につける。
 歴史や理論などを学ぶことで世の中の流れや事象を分析できるように。

⑤日本の教育は「教えて育てる」 指示行動型。画一教育⇒思考停止。
 アメリカはエデュース。能力を引っ張り出すこと。

⑥旧制高校・・エリートを作ることが目標だったが、リベラルな教育で
 自由に発想して、自由に活動していた。(破天荒過ぎた一面がある程)

⑦論理的な思考能力を付けるためには、英語だけでなく国語が基本。

国際化というのは、国籍のない人間になることではない。
 日本人としてのアイデンティティを持つことが、真の国際化の大前提。

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 大変シンプルで説得力のある話でした。
まだ40代なので、彼のような経営哲学が国際標準に近いと考えると、
情緒的に「競争NO」なんて言っていられないかもしれません。

国家の沈没は個人の暮らしに響くのですから。
やがて終身雇用が弱まり、人事の流動性が求められるでしょうね。

 ある種、より厳しい時代がやってくる・・・そんな思いを深くしました。