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12月19日付
朝日新聞








私の古巣・・・東京都庁がボスを失い、揺れています。
 医療法人徳洲会グループから5千万円を受け取っていた猪瀬直樹知事が
12月19日、都議会議長に辞職願を出しましたね・・・。
 
 猪瀬直樹さんは同郷の信州人で、県立長野高校を経て、信州大学では
全共闘議長でした。以前、直に話を聞いた際に「学生の頃から、機関銃1丁
で闘ってきたから、今もその延長で道路公団民営化の仕事を受けている」と
の趣旨で語っていたことを思い出します。

 勢いのある面白い人材だったのに、ご自分の答弁は下手でしたね~ 
最初に「すみません!知らなかったので、修正報告を出します!」と謝る
手があったのでは?
 とかく男は格好つけて逃げようとするから、最後にボロを出しませんか?

 「なぜこんなことに?」は諸説あり、黒幕云々も言われていますが、
私は単純に東京都の『職員服務規律』を知らなかったのでは? と・・・。
 これは関係する業者から利益を供与されたり、借金することを禁じている
もので、職員は100%認識している倫理規定(ルール)です。
 特に、徳洲会という病院の東京における許認可権は、東京都庁にあるの
だから、そこからの金銭が何を意味するかについて、あれだけの人がボン
ヤリしていたとは想像しにくいけれど、案外無知だったとしか思えませんね・・。

 お金を受け取った時には副知事だったので、職員に準じる立場として適用
される筈ですが、石原知事による任用で副知事になった大物には、研修も
無かったでしょうし、その後も、「これだけは気を付けるように」と耳打ちする
側近もいなかったのでしょう。孤高の人の弱点でしょうか。
 だから、辞任の会見で「政治にアマチュア」という釈明を繰り返したように
思いますが、でも、結果、無知は罪なりですよね~

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                                12月19日付
                                朝日新聞夕刊
                








 今だからこっそりお話できますが、私は都庁の人事部門で医療職1万人の職員を
対象にズバリ『服務規律担当』をしていました。
労務管理と信賞必罰・・・報奨から処罰までの目付役人ですね。

だから『職員服務規律』に反する収賄の事実が分かると、たった5万円で懲戒免職
にしたことがあります。家族もいたその男性は、5万円で人生を棒にふったのです。
公務員は公僕として徹底的にフェアであることが求められる。
 逆に言うと、このルールさえ守っていると、職務能力が低下しようが、責任感覚に
問題があり、勤務態度が悪かろうが、中々クビにはできないほど、身分が守られて
いるのです・・・。

 社会全体に教育がゆるくなり、国会での議論を聞いていても、アマちゃんが多く
なったなぁと感じます。だから、次期都知事にはあのオリンピック誘致でスピーチが
うまかった女性タレントをとか、そういう発想はやめてほしいですね~
 東京は予算の額でいうと、世界の国単位で較べてもベスト10に入り、韓国と並ぶ
程の規模で、知事はいわば任期4年を(普通は)保証された大統領で、国の平均的
な大臣よりも、むしろ大きな権限をもっています。

 都民も名前や顔で安易に投票せずに、首都東京の100年先まで見据えた選択を
してほしいですよね~ 選択肢が乏しければ自ら担ぎ出すことが民主主義の原点。
国民や都民の無知もやはり罪だと思いますもの。