日本記者クラブ
10階の会見場で
舛添要一東京都知事がまもなく就任4ケ月を迎えるにあたり、
6月6日の13時から、日本記者クラブで記者会見を開きました。
私にとって古巣・都庁のボスはオリンピックに向けて何を考えて
いるのか・・・。
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東京は2020年に向かって大きく動いている。
(1)交通体系の見直し
今、総合交通体系の見直しが最大のテーマだ。
①日本は島国だから海外客は空路からくるのだが、羽田と成田を
どうするのかを含めて(空港失敗の)見直しを始めている。
②「成田は不便だから羽田に集中させたい」というが、これは
(都心以外の)東京を知らない人の意見。
日暮里から京成電鉄で成田空港まで1本でいけるのは、都心以外
の住民には羽田よりも遥かに便利だ。
③2020年までに東京を通過するだけの車は都心に入れない方針。
例えば丸の内仲通りを完全に歩行者どおりにする。
車は40%くらい減るのではないか。
(2)エネルギー政策
①東京を世界一にする条件として環境再生都市をめざしている。
東京のゴミと下水は資源になる。発生するメタンガスで発電し、
下水センターで使う電力の2割をまかなっている。
②下水道局では泥を燃やして発電できる。脱原発もやがて可能だ。
③2020年のオリンピックまでに水素エネルギーを取り込んで
東京からガソリン車を排除したい。
④今は大きなエネルギー政策の転換時だ。東京は再生エネルギー
を活用して地産地消をする必要がある。
(3)グランドデザイン
①日本人は全体としてグランドデザインが欠けている。
前の知事が六本木から渋谷までバスの24時間運行を始めたが、
夜遊びする元気な人のために赤字をつくってまでやることとは
思えないので、見直す方針。
逆に、多摩地域では昼日中からバスは3時間に1本しか走らない
ため、高齢者が病院に行くことすら不自由になっている。
これは生命に関わることなので放置できない。
②パリでは郵便番号と車両ナンバーを連動させているから、
車で地域がすぐに分かるが、日本は木を見て森を見ていない。
(4)国づくり
①人口が減少したら日本がダメになるという後ろ向きをやめよう。
江戸は300万人の人口で栄えていた。戦後に走ってきた路線を変え
ないといけない。問題は少ない人口で富をどう生み出すのか。
②東京をアジアの金融センターにするには新しい金融商品が生まれない。
人材がいないのだ。ウォールストリートやロンドンやシンガポールから
人を呼んでくる手段を考えたい。
その場合は、楽しく暮らせるインフラもないと東京に人が集まらない。
③学者は政治家みたいなことをやっていないで「大きな国造り」を
考えてほしい。私も昔は学者だったけど(笑い)。
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学者から政治の世界に入っただけあり、論理的に筋の通った考え方
だと思いました。
テレビで観ると全く同じ印象で、中肉中背でやや猫背で足早に歩き
あまり笑わないままの鋭い眼光。
首都を担う東京都知事は観方により大臣よりも広く強い権限をもち、
任期4年を保証された大統領なので、山盛りの課題に向けて頑張って
ほしいなと感じました。
