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3月20日。テレビ朝日
の番組から


<企業年金を丸投げ運用のアマチュア博打>

 今年の2月からメディアを賑わしたAIJ投資顧問株式会社(東京都
中央区日本橋、浅川和彦社長、1989.4設立)による企業年金損失
事件は、昨今の年金不安にますますの拍車をかけましたね。
 
 AIJは運送、建設、電気工事会社など中小企業の厚生年金基金の
運用をしており、2011年3月末で74の企業年金から1582億円の
資産運用を受託したが、2012 年1月下旬の証券取引等監査委員会
の検査で、運用資産の大部分が消失していることが判明。
債権の先物取引などリスクの多い取引を続けて、巨額の損失を出し、
返還できるのは僅か81億円くらいとか。
ありゃー、無くなったものは戻らない・・・。この先どうなるのでしょう。

 顧客には240%の運用利回りを謳い文句にしてきたようですが、
浅川社長の責任を追及してすむ話ではないですよね。
企業の基金側はどこまで調査し、チェックを入れてきたかを考えると
さしたる専門知識や経験はなさそうなので、おそらくは丸投げに近い
ものだったのでは? 多分これは氷山の一角で、あちこち似たよう
な状況ではないでしょうか。みんな素人でワカランチン同士かな。

 この事件に絡んで厚生労働省が調査したところ、74基金のうち
約6割にあたる47の基金に厚生労働省や社会保険庁から49人の
OBが天下りをしていたという。彼らも資産運用は専門外で、ある種
の博打を専門業者に託していたと考えると、ホント、他人のお金で
無責任に危ない橋を渡っているもんです。

<中学必修の武道、教師は2日間の促成講習!>

 これまた驚き、身が震えるような話です。
今年平成24年度から中学の保健体育で、武道がダンスを含めて必修化
されますが、特に武道は柔道、剣道、相撲のうち6割以上の中学が柔道
を選択するとか。
 柔道は剣道や相撲よりも設備予算が少なめにすむとの判断でしょうが、
中学と高校の部活動において、1983 年から2010年の28年間に114人
もの死亡事故が(主に受け身の練習中に)起きているのです・・・。
 中には学校が事故を隠ぺい工作してマスコミに追及され、社会問題に
なったこともありますよね。
ということは、相当なプロが指導に当たらない限りは命が危ない!

 にも関わらず、大半の体育教師は柔道に未経験で、それでも中学生
を指導することになり、なのに専門家を招いての実技講習が2日間だけと
いう某県のニュースが流れました。
 市や町には柔道を教える道場もあれば、連日武道に励む警察官など
その道のプロがたくさんいるのだから、アマチュアは無理をせずにプロに
託すべきではないでしょうか。
 いかに体育の教師といえども「何でもやります」ーはあまりに危険。
教師の職業的流動性がほしい典型事例ですね。

文部科学省の役人は霞が関のデスクで何を考えているのでしょうか。
ある意味、彼らもド素人と言えませんか?(苦笑)

<東京23区の危機管理担当もアマチュアです>

 2005年頃から4年間ほど東京23区内の役所において、政策評価の
仕事を受け持ち、55分野の大半についてヒアリングをしました。
 この経験で想定外の現実をたくさん見てきたのですが、中規模の役所で
働く地方公務員は、3年前後で異動する点でスペシャリストは育成されず、
定年まで次々とインターンシップを繰り返しているようなものです。
 去年まで公園・道路、今年から広報、次は生活保護という感じ・・・。
本来いずれも専門揃いであってこその地方自治なのですが、部長も課長
も係長も分野を転々とし、専門知識や深い経験がないままに意思決定
をする。(勿論部下の指導はできない、されたらもっと混乱しますよ~)
だからノウハウが育たず、民間なら5人でこなす仕事を20人がかりで担当
するようなロスは税金の無駄ですが、彼らにはそれが当然になっている・・・。

 あまり知られていませんが、23区の区役所には危機管理担当班が
あります。昨日までごみ収集とか、成人病予防にいた職員が、災害やテロ
から区民を守るために計画から避難誘導まで責任をもてるのか?!

 ここが大問題で、職員が人事異動で着任した直後の専門訓練とはー
ある区役所では「佐々淳行さんと桜井よしこさんの講演会に出てもらいまし
た」と・・・?? こんな彼らに住民は生命と財産を預けていることに・・。

<防衛も原発再稼働もみんな素人なんですよね~>

 防衛大臣といえどもある意味、素人同然は誰もが感じているし、原子力
発電再開のストレステストも最終判断は素人の政治家の手に委ねられます。
これが日本の実情ですが、ここでも日本の常識は世界の非常識でしょうか。

 日本の超アマチュア社会は長い間、「みんな同じ」を合言葉にし、運動会で
一斉にゴールに駆け込み、学芸会では全員が台詞を分け合い、個性尊重と
いいながら個性や能力の差を排除してきたツケがここにも回ってきたようで、
その結果、高度専門性の価値認識がマヒしてきたのかもしれませんね。
実に困った話・・・。 ゴーン、ゴーンと半鐘を鳴らしますよ~!!