
都倉俊一さん
(国際文化会館で)
知人のお声がかりで、4月18日(水)、4~50名の集まりに参加して、
そこに招かれた主役は都倉俊一さん。
ご存じの作曲家・編曲家で、2010年からは日本音楽著作権協会の会長。
学習院大学の学生だった頃に中山千夏の「あなたの心に」でデビューし、
1970年代にはピンク・レディや山口百恵の歌を作って有名に。
狩人の「あずさ2号」、山口百恵の「ひと夏の経験」、山本リンダの「どうに
もとまらない」も衝撃的でしたが、何といってもピンク・レディのヒット曲は
殆ど都倉俊一が手がけたもので、「ペッパー警部」、「渚のシンドバッド」
「ウオンテッド」、「UFO」、「サウスポー」など等・・・。
1948年生まれの団塊世代で今年63歳だそうです。40年以上前から
の活躍ぶりに70歳を超えた大御所イメージでしたが見た目は50代にも。
身長は175cm以上ありそうで、ゴルフは「ハンディ2」の腕前とか。
2011年の西洋音楽渡来から130年を経た今日迄、大衆文化としての
日本の音楽にどう関わり、どう変貌するかの話が面白かったですね・・・。
もともと西洋の音楽は教会が中心で、キリスト教では神を音で表現する
ことが原点にあり、19世紀、世界の音楽はヨーロッパが主役でした。
20世紀はバトンがアメリカに移り、黒人が悲しみをブルースとして歌い、
それがロックンロールに発展するなどして、西洋音楽の音階を変えたので
すが、21世紀は人口の3分の1を占めるアジアの時代・・・・。

ピアノの鍵盤を見ると分かるように、音楽は12音階がベースにある
けど日本は5音階による音楽が大半で、俳句の5・7・5にも関連して
エイトビートに代表される8つのリズムに乗るんだそうです。
その意味では音楽には、音階、リズム、和音などにより国籍があると
いう説明は興味深いものでした。確かに音楽で国が想像できますよね。
<7,8年後にレコード会社はなくなる?>
CDの売上を見ると、2001年に 6000 億円が2010年には2800億円
に激減したそうで、カラオケも飽和状態。
「これから音楽はモノから空気になりますと」ーなんですか、それは?!
今後、クラウドコンピューター時代になると、音楽はバーコードで拾う
もので、いわば配信ですむからCDを買う必要がなくなって、創る人、
演奏する人、聴く人、買う人ともにレコード店は不要になるのだと・・。
相変わらずお騒がせは中国みたいですよ。
山口百恵の「赤いシリーズ」が中国で観られており、都倉俊一作曲の音楽
も同時に流れるのだけど、印税は全く入ってきませんと。
何せ共産主義の国だから、海賊版をストップできる技術は開発されて
いても、15億人のガス抜きをするために、ただで見せよう、聞かせよう、
与えようという国家の主導に著作権は叶わないということでしょうか。
都倉さんは予想通りのダンディでしたが、外交官だった父親の仕事に
伴って小学生と高校生の時代をヨッロッパで暮らし、国際感覚も豊かな上、
幅広い教養を磨かれたようで、学識が豊かな話を聞かせていただきました。
永年プロの道を歩いた人の経験談は含蓄が深く、楽しいものですね。
<ピンク・レディ・・、最初の名前は「ミカン箱」!>
そうそう、静岡県出身のピンク・レディは、中々芸名が決まらず当初
「ミカン箱」と付けたそうです(笑い)。それじゃーまずいでしょうと、都倉さん
が赤坂プリンスホテルのbarで考えた名前が、カクテルで思い浮かんだ
「ピンク・レディ」だったとか。
「ペッパー警部」という曲名もレコード会社の編成会議で反対されて、
危うくB版になるところをスッタモンダしてA版となり、ミリオンセラーになった
そうだから、人の運命はいつも綱渡りみたいなものなんですね~
