熟女は半鐘を打つ
9月19日未明に、参議院本会議で『安全保障関連法』が可決・成立
しました。私の周辺にいる知的な判断力をもつ人たちは、80%以上が
この法律に反対で、デモクラシーや立憲主義の劣化を嘆いていますが、
正直、元々が手遅れだったかなと・・・。
安倍首相の執念から、自由民主党を圧勝させた時点で予測できたし、
野党がどう対抗しようが最後は数で押し切られるのだから、野党勢力を
一定数残すバランス判断を持たなかった国民の責任でしょう。
いつの時代も「自国の防衛のため」と称して、パールハーバーに突っ込
んだし、そもそも1945年から70年を遡ると日本は6回の戦争を繰り返して
好戦国家でもあるわけで・・・。
イザ、戦時の状態になれば、軍隊が先導して法律もルールも無くなり、
国民はガラリと集団心理に巻き込まれる過去を学んできたはずなのに・・・。
願わくば、解釈改憲をしたと同じだから、また解釈改憲で集団的自衛権
(軍事同盟)が不可能になるよう、元に戻す力を国民が持ってほしい。
あとは、今回を機会に、若者を含めて、政治に無関心が何をもたらすか
について、教訓として学び、プラス効果が生まれると良いですね~
※今後アメリカに誘導されて中東で戦うような場合、大半の日本人は
自衛隊の仕事と思うのは当然でしょうが、自衛官は今後ボロボロ退職し
募集も困難になると予想されています。
その時に「運用(解釈)による徴兵」が考えられ、アメリカであったように
定職のない貧困層の若者から、報酬を見せて軍の組織に動員する
ことが、水面下で準備されている話を何か所からも聞いています・・・。
7月13日
日本記者クラブで
昨日、衆院特別委員会で安全保障関連法案が強行採決されて、騒ぎの
意味が分からない人や先行きに不安を感じる人が増えたかなと思います。
私個人は 「日本(人)っていったい何なの!?」と苛立ち、残念ながら
手遅れかなと感じており、もう一度痛い思いをしないと分からない人が増え
すぎたのではないでしょうか。
何があろうが、大半の日本人が何も言わず行動せず、お任せ民主主義で
観客席に居続けたツケかなと思うし、戦争の臭いを感じたことのない若者の
95%はノーテンキか評論家ですね・・・。すべて大人の責任だと思いますが・・・。
先立つ13日に聞いた、ロジャー・パルバースさんの話には(彼が抜群の
バランス感覚を持つが故に)大きく頷くものがありましたので、ご紹介させて
ください。
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Roger Pulvers (1944~) ロジャー・パルバース
作家・演出家・東京工業大学名誉教授
宮沢賢治の英訳で有名
映画『戦場のメリークリスマス』の助監督(大島渚監督)
1944年、アメリカNY生まれ、ロサンゼルス育ち、ハーバード大学大学院修了
ポーランドのワルシャワ大学大学院やパリでも履修。
ベトナム戦争に反発してアメリカを去り、72年オーストラリアに帰化。
1967年、日本に初来日して以来、50年近く日本で暮らしている。
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≪以下・概要≫
①
今週の日本は「日本のいちばん長い週」※になるのではないか。
安保法制の強行採決をすれば、この国は当分、別の国になるだろう。
※(8月8日封切りの映画『日本のいちばん長い日』にちなんだ表現。
日本の未来を信じ戦争を終わらせるため軍部と闘ったのは昭和天皇と
天皇を支える77歳の鈴木貫太郎・総理大臣だった。半藤一利原作)
②
広島と長崎は原子爆弾により20世紀最大の災難を受けた。
ユダヤ人たちは「ホロコースト」を語らずして自らの民族を語れない。
それを説話(Narrative)として伝承の中心にしているからだ。
日本も本当は国の誇りをもって語り継ぐべきなのに、身体の一部としないで
異物としてカプセルに封じ込め、隠そうとしている。
もし、国の説話(Narrative)としていたら、日本は世界一の平和国家になり、
憲法9条や集団的自衛権の話には至らなかった。
≪2011.10のNHK(Eテレ)に出演したVTRで3.11の陸前高田を紹介≫
③ 陸前高田は3.11の津波で壊滅的な被害を受けた。広島・長崎と同じような
壊滅だ。日本人は広島、長崎、陸前高田、福島、沖縄を国の説話(Narrative)
にしていない。国のメインテーマにせず、忘れようとしているのは大きな過
ちだ。これらの出来事を抱きしめ、どう対応するかを考えていかないと、
この国はどこに向かっていくのか。とても怖いものがある。
④
『情報』はfact であり、本当の『知識』ではない。
『知識』とは『これから何が起きるか、予見する媒体を人に与えるもの』
⑤ 若い人はこの国がこれからどうあるべきかを自分で考えないといけない。
今までどんな説話があり、どんな事実があり、どんな話があったのかについて
(外国ではなく)、この国の中にあったことを掘り起し予見する必要がある。
⑥
日本は今週が曲がり角だ。これからどうすべきか、どんな道を辿るのか。
どういう行動をとればいいのか。一人一人が考えて行動しないと、日本は
どうなるのか、僕にも分からない。
⑦
日本の特徴は『非宗教の国』だ。これからますます文明の衝突が起きる。
アメリカとイスラム、欧州とイスラム、中国とアメリカの衝突は必然的。
外交力で、その間に立てるのは日本だけだ。そこに国の役割がある。
⑧
Moral
compass という言葉がある。(心の羅針盤)
国民一人一人がこの羅針盤を持って、「私はこの先そっちへ行きたい」と
自分を語れる勇気が市民に欲しい。日本のTVでは顔も名前も出さないインタ
ビューが画面に出て、プライバシー云々というが、そういう人は出すべきで
ない。民主主義国家では日本だけだ。メディアも腰が引けている。
⑨
日本に50年住んできたが、社会の空気に潜むテンション(圧迫感)をこんな
に感じたことはない。これで何も感じない人がいるとしたら、あまりにも
悲しいではないか。
⑩
最後に、明石海人の名言で、大島渚監督が好んだ言葉で結んだ。
『深海に生きる魚族のように、自ら燃えなければ何処にも光は無い』
7月2日、日本記者クラブで、人口問題民間臨調による調査・報告書として
『人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃』が刊行されたことの記者会見が
ありました。
最近人口問題が社会にもたらす影響について、データ分析が開示されるように
なり、今まで「少子高齢化」が盛んに言われるようになったとはいえ、こんなに
急激かつ世界に類を見ないような人口減、超高齢化、生産年齢人口の急減は
衝撃的としか言えません・・・。
この日の会見は、人口民間臨調を代表して、日本学術会議議長の大西隆さん。
元々は、東大教授で都市工学の専門家です。(現在は豊橋技術科学大学学長)
昨年から人口減が始まり、現状の出生率だと、2040年から毎年100万人づつ
減少する結果、10年で1000万人づつ減る計算になり、2100年には5000万人。
(今の約40%に)人口減は、生産年齢人口・・働き手を失うことにより政治・経済・
社会・文化、どれをとっても国力が衰退し、やがて生活インフラが崩壊していく
「負の連鎖」がすでに始まっているとの解説でした。
(欧州など、小さくて豊かな国があるのですが、日本の問題は、急減な人口減,
高齢者に向けた社会福祉費の増大、1000兆円を超える負債を抱えて、経済の
縮小過程をどう運営するかが迫られる異次元の課題として横たわりますね)
この本は第9章までと政策提言で構成されています。ぜひ読んでみてください。
(6月30日発売 新潮社 1500円)
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その中の6章に『人口問題とシルバー民主主義』の表現がありました。
聞きなれない言葉ですが「多数派となった高齢層が、若年層、次世代から搾取する」
これがシルバー民主主義の問題だとあります。ナル程、搾取ですか!
高齢者を主な対象とする社会福祉予算が(国の歳出の)3分の1を占め、
子どもや若者への教育費は5%でしかなく、子どもの貧困率が世界の4番目に高い
実情を考えると、高齢者が「元気で楽しく暮らしています」だけではすまず、もう少し
社会貢献をすべきだろうと考えていた矢先なので、「シルバー民主主義」にはとても
インパクトを感じたものです。
片や寄り添う大人がいないまま忙しいサイクルに追い込まれている子どもたちに
寄り添うことは、シルバーでも十分に対応できるのだから、高齢者を活用するシステム
をつくれればいいなぁと思いますよね。
今月末にある勉強会に参加の予定ですが、
テーマとして『30年後の日本はどうなっているか』・・・です。
国のGDP総額でインドの4分の1、中国の6分の1になり、
インドネシア、メキシコ並になるとか。
@国民1人あたりだと、韓国の半分、今の中国と同じ、更には
東ヨーロッパ並みになるそうです。
(ちなみに中国の1人あたりGDPは2014年で7589ドル、
日本円に換算して91万円です。世界ランク80位)
国力の衰退は人口とも関係がある筈だから、未来予測を示
すデータを引っ張り出し300年先、500年先を調べてみました。
トップレベルの生命保険会社・研究員の示す数字によると、
現状の(合計特殊)出生率をあてはめて、男女1対で1.3人の
誕生は、国民@1人で0.65人の再生産となり、しかも子どもの
誕生に関われる年齢を15歳から44歳の30年間に絞ると・・
2330年には660万人、2500年にはたった17万人!!
(以前、350年後には日本人ゼロと聞いていたので、150年分
の誤差はあるけれど、このままでは限りなくゼロに近づく・・)
660万人といえば、今の千葉県とほぼ同じで、日本列島から
都道府県が殆ど消えて、千葉だけが生き残るということに。
(参考までに現在の人口を多い順にみると、
東京都1300万人、神奈川県900万人、大阪府880万人、
愛知県740万人、埼玉県720万人で千葉は6番目です)
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最近の安保関連法案など「国防という名の病気」の進行には
かなり絶望感を持ちますが、国民が相変わらず『今・金・自分』
から経済優先にして、政権与党を選んだ結果ですし、
何よりも、次世代の多くは戦争なんて起るわけがないと思いこん
でいるので、天皇陛下が遠くパラオの地から世界に向けて反戦の
プレゼンを懸命にされようが、映画でもTVでも、知識人がその悲惨
さを訴えようが周波数の違う人々には無力ですね・・。
過去の歴史から振り返ると戦争は知らず知らずに引きづり込まれ、
しかも世界から孤立していく過程で起きていますよね・・・。
300年後、500年後を考えるまでもなく、10年後、20年後も危なく
なってきたけれど、場合によりもう一度キョトンとしている若者たち
に生命の瀬戸際を体験してもらい、痛い思いで反省してもらうしか、
もう「特効薬」はないのだろうと感じることが多くなりました。
国が戦争を繰り返すということはこういうことなんでしょうね~
mitanews